shopify・EC-CUBE・WelcartでECサイトを作ってみてわかった良い点・悪い点
これまでBASE、カラーミーショップ、shopify、Welcart、EC-CUBEといったECサイト構築システムを使用してECサイトを作ってきました
この中でも最近、shopify・EC-CUBE・WelcartでのECサイト構築の機会が多かったのでそれぞれを触ってみておすすめポイントやここ微妙だなと思ったことを紹介したいと思います!
shopify・EC-CUBE・WelcartはBASEやSTORESなどよりも自由度が高くカスタマイズ性が高いといった特徴があります
したがって
- BASEを使っていたが売上や商品数が増えてきたのでもっとECサイトを伸ばしたい
- 実店舗が元々ありオンラインショップを開きたい
- 予算をかけて本格的なネットショップを作りたい
といった方向けのECサイト構築システムとなります
カスタマイズ性が高いECサイト構築システムを使うことで
- 商品が大量にあっても探しやすいページ設計
- お客様からデータを入稿してもらう必要がある商品を販売している
- 複数の項目を選択し、選択項目によって金額が変わる商品を扱っている
- 送料の計算が複雑
といったそれぞれの商品の特性に合わせたECサイトを作ることが可能になります
目次(読みたい所をクリック!!)
shopify・EC-CUBE・Welcartとは
ASP(shopify)
shopifyはいわゆるASPいうジャンルのEC構築システムで、shopifyが用意しているサーバー上でECサイトを運営することになります
BASEやSTORESもASPに分類されます
他にはメルカートやカラーミーショップ、MakeShopなどもASPです
ASPは一般的にはすでに出来上がっているものを使うのでコストが低く手軽に始めやすいというメリットがありますが、その分カスタマイズの自由度も低いことが多いのがデメリットと言われています
オープンソース(EC-CUBE、Welcart)
EC-CUBEはオープンソースのECサイト構築システムで自分で借りたサーバーにシステムをインストールし運営をします
WelcartはWordPressのプラグインでこれもほぼオープンソースみたいな感じですね
オープンソースはカスタマイズの自由度がかなり高いので売りたい商品に合ったECサイトを作ることができますが、その分開発のコストはかかります
また、セキュリティ面でも個人情報やクレジットカードを扱うためハッキングなどに対して細心の注意を払わなければいけません
さらに自由度がたかい制作手法としてフルスクラッチというものもあります
家で例えると
- BASE,STORES⇢家具付きマンスリーマンション
- Shopify⇢賃貸マンション、賃貸戸建て
- Welcart・EC-CUBE⇢建売
- フルスクラッチ⇢注文住宅
みたいな感じですね
テンプレート
テンプレートについてはそれぞれいくつかありますが、基本的にshopifyのテンプレートは海外製なので日本人向けにネットショップを作るとなるとそのままではちょっと不便な箇所が多いです
例えば
- デフォルトの日本語訳が変
- 会員登録フォームの姓名が逆
- 住所入力欄が海外仕様
などです
WelcartもEC-CUBEも国産のシステムなので日本向けのテンプレートがありますが、数はEC-CUBEのほうがおおいです
https://www.ec-cube.net/products/list.php?category_id=7
ただWelcartの場合は既存のWordPressのサイトに組み込まれることが多いので、テンプレートの数はそこまで重要ではないかもしれません
テンプレートの比較
EC-CUBE>>Shopify>>Welcart
あとコレは持論なのですが、外国語と比較して日本語は微妙なニュアンスを含んだ表現をできる言語なので、デザインに関しても文字が多めのデザインのほうがより商品の魅力などが伝えることができると思っています
逆に外国は言葉よりもボディーランゲージや表情でコミュニケーションをとることに優れているので、ビジュアル重視のデザインが好まれると思っています
したがって、海外向けのデザインテンプレートをそのまま日本で使うのは微妙だと思っています
カスタマイズ性
カスタマイズ性に関してはASPであるshopifyは他と比べるとデザインのカスタマイズ性は低いですが、ASPの中ではかなり自由度は高い方です
機能性の面のカスタマイズに関してはさすがにオープンソースのEC-CUBEやWelcartに軍配が上がります
例えば送料に関して、冷蔵配送と通常配送を組み合わせて注文した場合に通常配送のみが購入金額によって無料になるなどのカスタマイズなどが可能です
その他にもshopifyでポイント機能をつけるためにはアプリなどを使用する必要がありますが、その場合でも、決済画面ではなく1つ前のカートページで使用するポイントを確定しなければいけないといった微妙な不便さもあります
先ほど伝えたように、shopifyは賃貸なのでなんでもかんでもリフォームしてよいわけではないってことですね!
カスタマイズ性の比較
EC-CUBE>>Welcart>>Shopify
決済
決済の手軽さはShopifyが一番ですね
BASEなどのようにクレジットカード決済も一般的なものであればストア開設からすぐに使えるようになります
これもASPの特徴ですね
EC-CUBEやWelcartももちろんクレジットカード決済を導入できますが、まずは決済会社に申し込んでサイトを審査して貰う必要があります
以前Welcartで定期購入を導入したいというお客様がいたのですが使用していたレンタルサーバーだとそもそもそのセキュリティをクリアできなかったので断念したということもありました
決済手段の比較
Shopify>>EC-CUBE>>Welcart
コスト
ECサイトを維持するための費用の比較です
shopifyは月額で約5,000円程度かかります
あとは機能追加のためのアプリも基本的に月額制なので維持費だけでもおもったよりもかかります
EC-CUBEとWelcartは基本無料です
ただレンタルサーバー費用が月額1,000円~かかります
プラグインなども買い切りなどが多く、費用も抑えられます、
と言いたいところですが、実際は維持のために定期的なメンテナンスを制作会社などに依頼する必要があるのでshopifyとどちらが費用がかかるかと言われると、難しいところですね
セキュリティの不安という爆弾を抱えながらでもよければEC-CUBEやWelcartのほうが格段に安いですw
shopifyを触ってみた感想
shopifyはカナダの会社が開発しているECツールで、日本でもここ何年かでかなり名前を聞くようになってきてて日本でもかなり開発者が増えてきてますね
ノウハウも調べたら結構日本語記事がでてくるので開発がはかどりました
触ってみての印象なのですが、なんでこんなに流行ってるのかというのが一瞬でわかりましたね
というのも制作する側にとっては一番開発がしやすいと思ったからです
gitとの連携であったり、ローカルで開発できるようなプラグインが揃ってたり、shopifyは独自のLiquidというテンプレートエンジンを使っているのですが、VSコードなどのエディターにもliquid用の拡張機能が用意されてたりします
かなり開発者にも便利に使ってほしいっていう意識がshopifyからは伝わってきますw
ASPとは思えないカスタマイズ性の高さ
また、他のASPと比べても格段にカスタマイズ性が高く、メールの文言、顧客管理、決済方法など運営で必要な部分もかなり調整できるので、例えば会員への販促などもしやすそうな感じです
これはテーマにもよりますが、SEOに関してもかなり良さそうです
閲覧環境によって無駄に大きな画像を読み込ませないような記述だったり、構造化マークアップはもちろん、Googleショッピングにも自動で出稿できるようなタグが入っていたりします
オープンソースとASPのいいとこどりって感じで迷ったらコレ!って感じのECシステムですね
Welcartを触ってみた感想
WordPressにカート機能をもたせるにはWooCommerceというものも有名ですが、Welcartは国産ですし、10年前くらいからあるので日本だとWordPressでECサイトを作りたいならWelcartのほうがいいかもしれませんね
個人的にカスタマイズしたECサイトを作りたいのであればWelcartではなくEC-CUBEのほうが良さそうだと思います
なぜならまずWordPressはもともとECサイト用に作られたシステムではないため、カスタマイズの自由度ではEC-CUBEに劣ります
また、一番のデメリットはセキュリティ面の不安だと思います
WordPressはかなり広く使用されているツールなので、ハッカーからも狙われやすいツールです
ECサイトとなると個人情報を扱うため通常のWebサイトよりもセキュリティには注意を払う必要があります
そういった理由でセキュリティに対するコストがかかるのであまりオススメはできないって感じですね
それでもWelcartを選ぶ理由
1つ目はWordPressで作ることができるので、慣れている人がおおいということ
僕も実際WordPressでのサイト制作は何百サイトと作ってきましたので、1からその使い方を学ぶよりはかなりスピーディーに制作を進めることができます
また、WordPressの開発者でなくとも、WordPressを触ったことがある人は多いので、やはり使い慣れているソフトでそのままECサイトの運営もできるというのはメリットかと思いますし、外注などをする場合でも人を探しやすいと思います
自社でWordPressに詳しい担当者がいるのであればWelcartのメリットもありますね
2つ目はSEOに強いというところですね
SEOに強いというのはあまり好きな表現ではないのですが、WordPressのシステム自体がSEOに強いというよりはWordPressを使ったSEO対策のノウハウを持っている人が多いという意味になります
なのでSEOと相性が良さそうな商品とか、すでに検索エンジンで上位表示されているWordPressを使った自社サイトにEC機能を追加したい場合などはよさそうです
EC-CUBE
EC-CUBEも昔からある国産のECパッケージです
正直EC-CUBEに関してはお金をかけてしっかり開発したい人が使うので、僕みたいな零細Web制作会社にはあまり案件が回ってこないのでそこまで知見はないです笑
開発のハードルが割と高いため、しっかりと昔からやっているちゃんとした開発会社などが多いイメージがあります
信頼できる制作会社とガッツリタッグを組んでやるならEC-CUBEもありだと思いますが、開発だけ頼んであとは自社で運営したいという場合にはかなり難しいかと思います
セキュリティに関してもWelcartと同様自社サーバーなので注意が必要ですがWordPressほどは狙われにくいかとは思います
どのECサイト構築システムを選べばよいか
どのECツールで作りたいかを決めてから制作会社を探すよりは
どんな商品を扱って、どのような方法で売っていきたいかを決めてから、それを元に制作会社などに話を聞いてもらってどのシステムを使うのが良いか提案してもらうのが一番良いかなと思います!