採用媒体への出稿効果を、「受け皿」で倍にする——立ち上げ期から始めた人材派遣会社さんの話

採用媒体への出稿は、“出し方”ももちろん大事です。そのうえで、意外と見落とされがちなのが“受け皿”——同じ広告費でも、受け皿を作り込めば、効果はさらに上げられます。まだ立ち上げたばかりの、ある人材派遣会社さんとの取り組みの話です。
YouTubeがきっかけの、最初の出会い
この会社と最初に出会ったのは、まだ会社を立ち上げたばかりの頃でした。ホームページも、まだありません。その状態で、YouTubeを見て私のことを知ってくださり、お問い合わせをいただいたのが始まりです。
そこから、ホームページとYouTubeの運用がスタートしました。目的ははっきりしていて、採用の応募者を増やすこと。まずはこの一点でした。

数ヶ月のデータが教えてくれた、「指名検索」の多さ
運用を始めて数ヶ月。データが集まってきたので、アクセス解析を分析してみました。そこで分かったのが、会社名そのもので検索してたどり着く“指名検索”が、異常に多いことでした。
ブログなどで自然検索を集めているサイトではありません。にもかかわらず、指名検索だけが突出している。なぜか——。求人媒体で求人を見て「ちょっといいかも」と思った人が、応募ボタンを押す前に、必ず会社名で検索してホームページを見ていたからです。
ここで、ひとつ大事な話をさせてください。ホームページというと、ふつうは“集客の入り口”だと思われています。SEO対策をして、まだ会社を知らない新規の人に認知を広げる場所。YouTubeも同じで、再生数を増やして新しい人に知ってもらうもの——そう思われがちです。
でも、この会社のデータが教えてくれたのは、逆でした。ホームページもYouTubeも、“入り口”ではありません。すでに会社を知って興味を持った人が、応募するかどうかを最後に決める“意思決定の場所”だったのです。


この会社の場合、いちばん上の「認知」は、採用媒体がしっかり取ってくれていました。媒体を見て、会社の存在を知る。そこは効いていたのです。
問題は、その先。「関心」と「検討」——応募するかどうかを決めるこの段階を担うのが、ホームページとYouTubeでした。ここが弱いと、せっかく認知を取っても、応募の一歩手前で人がこぼれ落ちてしまう。だからこそ、受け皿を作り込む意味があったのです。
だから、受け皿を徹底的に作り込んだ
打ち手は、はっきりしていました。媒体を強くするのではなく、受け皿であるホームページとYouTubeを作り込む。
ホームページは、はじめから、派手なデザインや興味を引く演出はねらっていません。大事にしたのは、求職者が本当に知りたいことを、徹底的に網羅すること。給与や勤務地はもちろん、求人票には載らない“中の様子”まで、先回りして全部そろえておく。
YouTubeでは、いいところだけを切り取りません。その会社のネガティブな要素まで含めて、リアルに公開しました。そのうえで、そこで働く人たちのインタビューを、2年かけてコツコツと積み上げていった。飾らないからこそ、「ここでなら働けそう」という納得が生まれます。

同じ出稿費で、効果が倍変わる
やったことは、新しい広告予算を足すことではありません。すでに払っている出稿費を、受け皿で最大限に活かしきる。それだけです。
採用にかけるお金は、媒体に払った瞬間に価値が決まるわけではありません。出稿の“出し方”を工夫するのは、もちろん大事。そのうえで、その後にどんな受け皿が待っているかで、同じ1円の効きめはさらに変わります。出し方と受け皿、その両方に目を向ける——それが、同じ費用で採用の成果を伸ばすいちばんの近道だと、私は考えています。
