古いホームページは、捨てずに「活かす」——20年もののホームページを整えたら、検索30位が3位になった接骨院の話

ホームページのリニューアルと聞くと、「今風でおしゃれなデザインに変えるだけでしょう」と思う人は少なくありません。見た目を新しくするだけのために、まとまったお金をかける意味があるのか——そう感じて、古いホームページをそのままにしている店や会社は、たくさんあります。
でも実は、何年も前に作ったきりのホームページは、きちんと改善するだけで、大きな成果につながることがあります。理由のひとつは、古いホームページほど、長く運用されてきたぶんドメインが検索エンジンに評価されている(=ドメインパワーがある)こと。その土台がすでにあるからこそ、ゼロから新しく作るよりも、中身を整えるだけで結果が動きやすいのです。デザインを一新するというより、詰まっていたところを整えるだけで、驚くほど結果が変わる。ここで紹介するのは、20年以上前のホームページを作り直したことで、地域名の検索順位が30位あたりから3位まで上がった、ある接骨院さんの話です。
古いホームページは、整えるだけで大きく変わることがある

この接骨院さんは、世代交代がきっかけでした。先代(お父様)が続けてこられた院を、現在の院長が引き継ぐ。そのとき手元に残っていたのが、20年以上前に作られたホームページでした。
こういう古いホームページには、たいてい共通の問題があります。
- スマホで見ることが想定されていない。PC用の画面が、そのまま小さく表示されるだけ。
- タイトルタグ(検索結果に出るページの見出し)が適当。全ページ同じだったり、中身と合っていなかったりして、検索エンジンが「どのページが何のページか」を区別できない。
- 知りたい情報が足りない、または埋もれている。
見た目が古い、という話ではありません。検索エンジンにもユーザーにも、正しく伝わっていない——これが本当の問題です。だからこの院では、いきなり作り直すのではなく、まずいまのホームページを分析することから始めました。
分析して見えたのは、「タイトルタグ」と「動線」の問題

分析して分かったのは、まさに「あるある」の状態でした。
コンテンツ自体は、意外なほど揃っていました。ページ数は26ページ、文字にすると約4万6千字。院長の経歴も、施術の説明も、料金も、よくある質問への答えも、ひととおり載っていた。
にもかかわらず検索で見つからなかったのは、構造の問題でした。
- 全ページのタイトルタグが、ほぼ同じ。検索エンジンが各ページを区別できず、「地域の接骨院を探している人」に見つけてもらえない。
- 見出しが「文字」ではなく「画像」で作られている。中身が読み取れず、26ページ全部で文字の見出しはたった3つ。
- 来る前にいちばん知りたい「診療時間」「料金」「アクセス」が、トップに載っていない。行こうか迷っている人が、答えにたどり着けない。
情報は持っているのに、伝わる形になっていない。リニューアルする意味があるのは、まさにこういうホームページです。見た目を今風にする話ではなく、この詰まりを解消する話です。
リニューアル=おしゃれにすること、ではない

ここが、いちばん伝えたいところです。リニューアルというと、つい「今風でおしゃれなデザインにすること」だと思われがちです。でも、まず考えるべきはデザインではありません。ユーザーが何を知りたいと思っているか。そして、その動線をしっかり整えることです。
この院で作り直したのも、その順番でした。
- スマホできちんと読める形にする(レスポンシブ対応)
- 各ページのタイトルタグを、中身に合った適切なものに直す(検索エンジンが区別できるように)
- 画像だった見出しを、文字にする
- 知りたい人が多い順に、情報を並べ直す(診療時間と料金を、トップのいちばん上へ)
おしゃれさを足したわけではありません。「探している人が、知りたい順にたどり着ける」ように作り直した。それだけで、「地域名+接骨院」の検索順位が、30位あたりから一桁台まで上がりました。そのあとコラムを書き続けたことで、いまは3位です。
| 時期 | 「地域名+業種」の順位 | 月間セッション | 月間PV |
|---|---|---|---|
| リニューアル前 | 30位あたり | 約60〜80 | 約300 |
| リニューアル後・コラム前 | 一桁台 | 約270 | 約1,400 |
| いま(直近12ヶ月の平均) | 3位 | 約3,200 | 約3,900 |
古いままでは、せっかくの中身が誰にも届いていませんでした。ユーザー起点で作り直したからこそ、順位が動いた。リニューアルには、ちゃんと意味があったのです。
しかも、動きが早かったのには理由があります。20年以上運用してきたことで、ドメインそのものは検索エンジンから評価されていた。土台はすでにあったのです。だから、ゼロから新しいホームページを立ち上げて一から評価を積み直すのではなく、その土台を活かして中身を整えたことで、順位が一気に動きました。古いホームページは、捨てるより活かすほうが早い——この事例が示しているのは、そこでもあります。
「見つかる」の次は、「この人にお願いしたい」

もうひとつ、見落とされがちな点があります。検索で見つけてもらえても、その先で「ここに行ってみよう」と思ってもらえなければ、来院にはつながりません。
この院で効いたのは、院長そのものでした。どんな人が施術しているのか顔が分かる内容と、人柄が伝わる動画をホームページに載せたところ、そこから来院までしてくれる方が、格段に増えたのです。いまでは、月に4人から10人ほどの新規の患者さんが、初診アンケートで「ホームページを見て来ました」と答えています。
ユーザーが何を知りたいかを整えて「見つかる」ようにし、さらに「誰がやっているのか」を伝えて「選ばれる」ようにする。この二つがそろって、はじめて来院という行動につながります。
リニューアルの価値は、見た目ではなく「伝わる形」にすること
正直にお伝えすると、この結果はホームページだけの成果ではありません。いろいろな要因が重なっています。ただ、「見つけてもらえる順位まで上がったこと」と「人柄が伝わるようになったこと」——この二つが効いたのは間違いありません。
そして、この事例がいちばん伝えているのは、リニューアルの価値は、デザインを今風にすることではないということです。古いホームページに隠れた「伝わらない原因」を見つけ、ユーザーが何を知りたいかを軸に、動線ごと作り直す。そこにこそ、リニューアルする意味があります。
「作り直しても、見た目が変わるだけでは」と迷っているなら、まず一度、いまのホームページを分析してみる価値があります。とくに長く運用してきたホームページなら、ドメインが評価されているという土台がすでにある。それを捨ててゼロから作り直すより、活かして整えるほうが、ずっと早く結果につながります。何が伝わっていないのかが見えれば、リニューアルは「おしゃれにする買い物」ではなく、「確実に効く一手」に変わります。